神渡りの儀式が終わり、凍哉さんが大きな声で笑い出せば…―。
命が満ちていくように、花は咲き乱れ、草木が芽吹き、小鳥が歌い始める。
男性1「おお、これはどうしたことだ!?」
一瞬で湖の氷が溶けるほど、急速な季節の変化に驚いた街の人達がざわめく。
男性2「見ろ、凍哉様があんなに楽しそうに……」
楽しげに笑う凍哉さんを見て、皆はさらに目を丸くしていた。
女性「凍哉様って、あんなふうに笑う方だったのね……」
男性「今度凍哉様と宴で一緒に踊りたいなぁ」
(ずっと笑顔を見ていなかったから、街の人も安心できたみたい)
皆と凍哉さんの距離が縮まったようで、私まで嬉しくなる。
凍哉「○○」
思いきり笑った後、凍哉さんが私の元へやって来た。
凍哉「やっと、この国の春を君に見せられたね」
長く厳しい冬はすでに去り……
春の日差しがこぼれるような、凍哉さんの笑顔がそこにあった…―。