リーヤ「大案山子一号、起動…-!!」
リーヤさんのその声と共に……
空をつんざくような激しい音を立てて、大案山子一号が直進する。
カラス一族の襲撃に対抗するため起動されたそれは、今街へと向かっていた。
リーヤ「よし、ここまで順調だ。 このまま街へ突入して、あいつらに目に物見せてやる……!」
リーヤさんは意気込みながら、案山子を操縦していたのだけれど…-。
街の人1「う、あああっ!!」
街の人2「た、助けてくれーっ!」
カラスを撃退しようとして、振り上げた拳は街の塀を破壊し、街灯をなぎ倒し……
カラスを威嚇しようとして光らせた目からは、本物の光線が発射された。
…
……
リーヤ「く、クソっ! 暴走だ……!」
リーヤさんが慌てて、操縦桿を激しく動かす。
計算機を叩き、ねじを回し、その上何やら魔法のようなものを唱えるも……
リーヤ「どうすれば止まるんだよ……っ!!」
リーヤさんが、操縦桿に拳を叩きつける……
(本当に、どうすればいいの。このままじゃ街が滅茶苦茶に……)
破壊され続けてしまう街に、焦りばかりが募っていった…-。