緊急停止した巨大案山子の上で、カラスに襲われた私達を助けてくれたのは……
リーヤさんの治める、街の人々だった。
街の人1「リーヤ様!大丈夫ですか!?」
街の人2「リーヤ様!」
街の人3「リーヤ様!」
巨大案山子から降りると、リーヤさんは心配そうな表情の街の人々に囲まれた。
リーヤ「ああ、大丈夫だ。お前らが助けてくれたからな!」
街の人1「リーヤ様……当然です!」
リーヤ「けど、びっくりしたぞ。 自分達で考えて、やろうと思えばできるじゃねえか! ありがとな」
リーヤさんから、感謝と感激が溢れているように感じられる。
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リーヤ『この国の奴らは、自分の脳みそで考えるってことを知らねえ。 だから俺一人で、今、この城を改造してる』
〇〇『……一人で、お城を改造?』
リーヤ「ああ、誰も頼りにならねーからさ」
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(そんなこと、ない……)
〇〇「よかったですね、リーヤさん」
嬉しさが胸に込み上げて、私は満面の笑みをリーヤさんに向けた。
リーヤ「ああ、一回くらいは危機に直面してみるもんだな」
さっきまで、巨大案山子のことで曇っていた表情は、すっかり明るくなっている。
リーヤ「何がどう転ぶか……それは、いくら計算しても、わかんねーもんだよな」
リーヤさんの顔は、明るく晴れ渡るように……どこまでも澄み切っていた。
(けれど……)
残された、ある大きな問題に私は頭を悩ませていた…-。