規則的な駆動音を立てて、巨大な案山子は進んで行く。
それを操縦するリーヤさんは、真剣な顔で正面を見据えていた…-。
街に到着すると……
リーヤ「いけ、大案山子一号! カラス共を攻撃だ!!」
操縦桿を握りながら、リーヤさんは何やら不思議な呪文を同時に唱える。
(不思議……まるで、案山子自体も生きてるみたい)
リーヤさんの作り上げた案山子は、彼自身の魔力でも動いている。
(だからこんなにも、躍動感があるのかな?)
リーヤ「いけえっ! よし!! やっぱ俺の計画に狂いはねーっ!」
リーヤさんが、勝ち誇ったように声を上げる。
街を襲うカラス達は、見る間に駆逐されていった。
(すごい……よかった!)
けれどこの後起こる事件が、リーヤさんと街の人達の暮らしを大きく変えることになるなんて、私達はまだ、知らなかった…-。