踏みにじられた花々の香りが、息苦しいほどに漂っている…-。
あと数歩というところまで、私達の背後から数人の男達が迫ってきていた。
〇〇「ユリウスさん……っ!」
ユリウスさんは私を真横に突き飛ばし、一人で彼らの攻撃を受けた。
ユリウス「……っ!」
男達はユリウスさんの剣に弾き飛ばされるが…-。
〇〇「……ユリウスさん!」
ユリウスさんの腕から、血が流れ出す。
ユリウス「来るな! ……大丈夫だ」
〇〇「でも……っ!」
その時…-。
城の従者「ユリウス様、ご無事ですか!?」
見ると、城の兵士達が駆けつけてくれていた。
ユリウス「お前ら、何でここへ……」
城の兵士「ユリウス様が普段から妙な気配がするとおっしゃっていたので、私達も周囲を調査しておりました。 先程、その者達の素性がわかり急いでこちらへ参りました」
ユリウス「そうか……」
内通者達は、城の兵士達に取り押さえられた。
〇〇「ユリウスさん、すぐに手当てを……!」
ユリウスさんは私を見つめて、苦笑いを浮かべた。
ユリウス「お前のせいで……オレの警戒心が鈍っちまったな。 危ない目に遭わせて、すまない……」
そう言って、ユリウスさんは気を失ってしまった…-。