月6話 止まない雨

祭りの最終日を前にして降ってきた激しい雨に、私はただ晴れることを祈るしかできなかった。

そして翌日、夜明けとともに見上げた空に見えたのは…-。

〇〇「……雨」

昨日と変わらない、幾分風が弱くなっただけの雨曇りの空だった。

部屋を出ると、城の人々の声が聞こえてくる。

城の家臣1「やっぱり祭のフィナーレは中止らしい」

城の家臣2「この雨では仕方なかろう、よしんば止んだとしても花火の火薬がもうだめだ」

(やっぱり、中止になってしまったんだ……)

私は窓の外に振り続ける雨を見て、深いため息を吐いた。

(せっかくの最終日……それに、蓬莱に居られる最後の一日だったのに……)

静かに降り続く雨が、まるで私の心まで濡らしていくようだった…-。

 

 

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