その夜…―。
(どうしたら、いいのかな……)
窓の外を見つめながら、私は一人思いを巡らせる。
(大切な人を忘れて欲しいなんて言えない)
(“誰か”がいなければ意味のない人生だって、あるのかもしれない……)
(でも……私は、レイヴンさんに生きていてほしい)
(これは、私のわがままなのかな……?)
ため息を一つつくと、私の頭をクローディアス君の言葉がよぎった。
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クローディアス『ぼくが皇太子になれたら、王座が空くしんぱいもないから……って』
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(7歳になっても、クローディアス君の王位継承権が認められなかったら……?)
突飛な考えだけれど、今の私にはこれしか思いつかない。
拳をぎゅっと握りしめる。
私は窓の外に目を向けた…―。