その夜…-。
(どうしたら、いいのかな……)
窓の外を見つめながら、私は一人思いを巡らせる。
(大切な人を忘れて欲しいなんて言えない)
(“誰か”がいなければ意味のない人生だって、あるのかもしれない……)
(でも……私は、レイヴンさんに生きていてほしい)
(これは、私のわがままなのかな……?)
どんなに考えても、答えは出なくて……
(そうだ……まずはレイヴンさんのことを知ろう)
いつの間にか、私の瞳には涙がにじんでいる。
(私、まだレイヴンさんのこと、何にも知らない)
―――――
レイヴン『オフィーリア……君の好きな花が咲いたよ』
レイヴン『とても美味しいですね。 けれど私には……必要ない』
―――――
彼の声が頭の中でこだまする。
涙でにじんだ星空に、彼の幸せを願った…-。