ベリー畑でのひとときは、とても楽しいものだったけれど……
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「あの、コロレさん…―」
コロレ「お、おやすみなさいっ」
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帰る頃から、コロレさんの様子がおかしくなってしまった。
翌日も…―。
(声をかけに行っても、忙しいって言われてしまったし……)
(もしかして私、何かしてしまったのかな? 避けられてる……?)
不安に思いながら、一人とぼとぼと城の廊下を歩いていると…―。
コロレ「あ……○○さん……」
○○「コロレさん……!」
コロレさんと偶然にも鉢合わせ、私達は廊下の真ん中で立ち止まった。
コロレ「○○さん、……何だか元気ない?」
○○「え……そ、そんなことは…―」
(顔に出ちゃったかな……)
当の本人に言われ、言い淀んでしまう。
コロレさんは、そんな私の様子を察したのか…―。
コロレ「……! もしかして僕が、そんな顔をさせてしまってるのかな。 ごめんね、○○さん……」
○○「い、いえ。大丈夫です……」
いつもは朗らかでやんわりとした笑顔を広げる表情が、今日は、長い間水を与えられなかった花のように、しょんぼりと元気をなくしている。
けれど…―。
コロレ「……うん。よし!」
ぱしり、とコロレさんは自分の両頬を叩く。
コロレ「……あの、もう少しだけ、僕に時間をくれないかな?」
そう言ったコロレさんの瞳は、何かを決意したような輝きで、微かに煌めいていたのだった…―。