チョコレートの国・ショコラベリィ 白の月…―。
甘い香りに包まれた賑やかな街を抜けて、城までたどり着くと……
コロレ「○○さん、いらっしゃい。待ってたよ」
すぐに、この国へ私を招待をしてくれたコロレ王子が迎えに出て来てくれた。
コロレ「街、見てきた? 甘い香りでいっぱいだったでしょ?」
ふわりと柔らかな笑みを向けられて、とくんと胸が高鳴った。
すらりと伸びる長身に、柔和でとても美しい顔立ち……
全身にまとった雰囲気も、チョコレートの国の王子らしく、甘く柔らかなものだった。
○○「今日はわざわざお招きくださって、どうもありがとうございました」
コロレ「ふふっ、そんな固くならないで。 貴方が来るのを、とっても楽しみにしていたんだよ?」
○○「……ありがとうございます」
整った顔をほころばせて、コロレさんは無邪気に微笑む。
(本当にとっても優しそうな人……)
するとふと、甘い香りがどこからか漂ってくることに気がついた。
○○「なんだかとてもいい香りが……」
コロレ「ああ、そうだ。ちょうどいいタイミング。 今、新作のケーキができたところだから、よかったら一緒にどうかな?」
○○「わあ、嬉しいです」
コロレ「甘いものは嫌いじゃない?」
○○「はい、好きです」
コロレ「よかった。では大切なお客様……○○さんにできたてのケーキをお願い」
執事「はい、かしこまりました」
傍に控えていた執事さんが、軽く頭を下げ準備に向かう。
戻った執事さんがコロレさんに手渡しした皿の上には、綺麗なチョコレートタルトが載っていた。
コロレ「それでは○○さん、改めて……。 チョコレートの国・ショコラベリィへようこそ」
○○「……!」
素敵なケーキとコロレさんがあまりにお似合いで……
甘い二つの誘惑に、とくとくと鼓動は速まるばかりだった…―。