仕事で問題が起きていると知りながら、私には何もできない日々が続いていた。
フォルカーさんは、誰も寄せ付けず一人で解決するのだと言い張っていて……
フォルカー「何故こんな無駄なことをしている! 余計なことをするなと言っているだろう!? 邪魔だ、出て行け! 何度も言っているが、俺一人で十分だ。一人にしてくれ!」
部屋の中からフォルカーさんの怒鳴り声が響いている。
少しでも気が休まればと淹れた温かいお茶を手に、部屋へ入ることがはばかられた。
(でも……)
〇〇「フォルカーさん、お茶を淹れました。休憩されてはどうですか?」
フォルカー「っ……」
書類を睨みつけていたフォルカーさんが、その目つきのまま私を見る。
一瞬、体がびくりと震えたものの、彼の目はすぐにそらされた。
フォルカー「〇〇がそんなことをする必要はない。侍女にやらせる」
〇〇「……すみません、余計なことをして。 せっかくなので、こちらに……置いておきますね」
フォルカー「……」
フォルカーさんは何か言いたげに口を開きかけたけれど、何も言わず、険しい表情のまま新しい書類を取り上げた…-。