アンタレスさんにエスコートされる形で、私の宿泊している部屋からアンタレスさんの部屋へ向かった。
到着するとすぐにアンタレスさんが、今度はチョコの箱を開いてくれる。
アンタレス「俺が食べさせてやる。どれがいい?」
○○「っ・・・・・・で、でも・・・・・・」
アンタレス「恥ずかしがるなら、もっと恥ずかしい方法で食べさせてやってもいいが・・・・・・」
○○「えっ・・・・・・!」
あまりに色香の漂う様子で言われて驚くと・・・・・・
アンタレスさんが、くすりと小さく含み笑いをした。
アンタレス「冗談だ」
○○「ひ、ひどいです・・・・・・」
アンタレス「くくっ、ほらいいから、どれから食べたいか早く選べよ。 これか? それともこっち?」
アンタレスさんの誘うような瞳が私の様子をじっとうかがいながら・・・・・・
細長くて綺麗な指先が、チョコの上を静かに舞っていく。
○○「じゃあ・・・・・・このピンク色のがいいです」
アンタレス「わかった・・・・・・ほら、口開けてみな」
しなやかな指先が摘み上げたチョコが、私の口元へ寄せられる。
(恥ずかしい・・・・・・)
気恥ずかしさを我慢して、おずおずと口を開くと・・・・・・
○○「っ・・・・・・」
アンタレスさんの指先が、微かに私の唇へ触れてびくりと体が震えた。
アンタレス「柔らかい唇だ・・・・・・」
そう囁くように言いながら、そっと私の口へチョコを放り込んで・・・・・・
アンタレスさんは、自身のその指先へキスを落とした。
(ど、どうしよう・・・・・・ドキドキして見ていられない・・・・・・)
魅惑的な言動に、心臓は張り裂けそうで、頬もひどく熱くなってしまっている。
ややうつむいたまま、口の中のチョコをそっと嚙みしめると・・・・・・
○○「あ・・・・・・おいしい」
思った以上においしい味わいに、するりと言葉がこぼれ落ちた。
アンタレス「ロゼスパークリングワインの入ったボンボンショコラだ。 アンタが昨日おいしいって言ったスパークリングワインと似たのを探してきたんだ」
○○「そうなんですね! だからすごく味が似てて・・・・・・」
思わず笑顔になって、顔を上げる。
恥ずかしさにうつむいていたはずなのに、真っ直ぐにアンタレスさんと目が合ってしまい・・・・・・
(わ、私・・・・・・)
アンタレス「・・・・・・可愛いこと、しすぎだろ」
○○「えっ・・・・・・?」
アンタレス「いいから、俺にも食べさせろよ」
アンタレスさんの強制力のある甘い声に指示されて、恥ずかしさをこらえながらチョコに手を伸ばす。
○○「・・・・・・どれが、いいですか?」
アンタレス「俺は・・・・・・その白いやつだな」
顔を伏せたまま食べさせるわけにはいかないので、ためらいながらも顔を上げると、うっすらと開いたアンタレスさんの唇がすぐに目に入った。
○○「あの・・・・・・どうぞ」
口元へ持っていくと、それに合わせてゆっくりとアンタレスさんの唇が開く。
そっと口の中へ入れてあげると・・・・・・
アンタレス「ん・・・・・・こっちはゴールドスパークリングだから、すっきりした味だな」
○○「ゴールドスパークリング・・・・・・そうなんですか?」
問いかけると、アンタレスさんはにこりと微笑んで・・・・・・
アンタレス「じゃあ、おすそわけだ」
○○「っ・・・・・・!」
そう言ったかと思えば、ぐっと私の体を抱き寄せて・・・・・・一瞬で唇を奪ってしまった。
一気に甘くてとろけるようなお酒とチョコの味と香りが広がって・・・・・・
○○「ん・・・・・・っ」
柔らかな唇が押しつけられたかと思えば、ちろりと一舐め、アンタレスさんの舌が私の舌に触れ合った。
アンタレス「味わえたか?」
○○「え・・・・・・あ、あの・・・・・・」
(ドキドキして・・・・・・味なんて・・・・・・)
すぐ間近に顔を寄せたまま、アンタレスさんの熱っぽい瞳が私をとらえている。
アンタレス「ゴールドの味、わかったか?」
何も答えられない私に、再度念を押すようにアンタレスさんに問われて・・・・・・
○○「突然で、よくわからなくて・・・・・・」
素直に伝えると、アンタレスさんの瞳がまた、妖艶に細められた。
そうして・・・・・・
アンタレス「じゃあ、もう一度だな・・・・・・」
今度は深く唇が重なり合い、しっかりと味を伝えるように舌が絡められる。
キスかお酒か・・・・・・もちろん味なんてわからずに、ただ身を委ねるのだった・・・-。
おわり。