太陽6話 お前がほしいもの

夕暮れ時の部屋でリカさんに抱きしめられて…―。

リカ「なあ……お前、俺のショコラ欲しいって言ったじゃん? 具体的に何が欲しいの?」

問いかける瞳は甘そうでいて、でも真剣で、私は言葉に詰まってしまった。

(リカさん……)

ー----

リカ「じゃあ、期待して待ってろ」

ー----

(街で言ってたあの言葉、本気で……)

○○「あの、本当に……もらえるんですか?」

リカ「だって、欲しいって言ったじゃん」

ふてくされたような言葉に私は一度しっかりと考え込んだ。

(私がリカさんから欲しいチョコレート……)

(リカさんからしかもらえない特別なもの……)

○○「なら……」

リカ「なら?」

続きを促す彼を見て、ふと思いついた。

○○「……リカさんの作ったもの……。 私、リカさんの作ったショコラが食べてみたいです」

リカ「……俺が!? お前のために作るの? ショコラを……?」

○○「えっ、そんなに驚くことですか?」

耳元で大きな声を出されたかと思えば、彼の目は大きく見開かれていた。

○○「ダメ……ですか?」

彼は難しい顔をして、しばらく考え込むと……

リカ「俺、今まで自分で作ったことないけど」

彼の口から漏れたのは、そんな意外な言葉だった…―。

 

 

<<第5話||太陽7話>>