夕暮れ時の部屋でリカさんに抱きしめられて…―。
リカ「なあ……お前、俺のショコラ欲しいって言ったじゃん? 具体的に何が欲しいの?」
問いかける瞳は甘そうでいて、でも真剣で、私は言葉に詰まってしまった。
(リカさん……)
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リカ「じゃあ、期待して待ってろ」
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(街で言ってたあの言葉、本気で……)
○○「あの、本当に……もらえるんですか?」
リカ「だって、欲しいって言ったじゃん」
ふてくされたような言葉に私は一度しっかりと考え込んだ。
(私がリカさんから欲しいチョコレート……)
(リカさんからしかもらえない特別なもの……)
○○「なら……」
リカ「なら?」
続きを促す彼を見て、ふと思いついた。
○○「……リカさんの作ったもの……。 私、リカさんの作ったショコラが食べてみたいです」
リカ「……俺が!? お前のために作るの? ショコラを……?」
○○「えっ、そんなに驚くことですか?」
耳元で大きな声を出されたかと思えば、彼の目は大きく見開かれていた。
○○「ダメ……ですか?」
彼は難しい顔をして、しばらく考え込むと……
リカ「俺、今まで自分で作ったことないけど」
彼の口から漏れたのは、そんな意外な言葉だった…―。