大臣さんと一緒に城へと戻った私達を待っていたものは、私達を遠巻きに見る無数の視線と、怒りに震える国王様の姿だった…ー。
国王「ラス、あれほど言い聞かせていたものを……。 お前は再び、この国を窮地においやりたいのか!」
花畑での出来事は、私達を目撃した大臣さんによって城へと報告されていたらしく……
国王様の御前に連れて行かれたラスさんは、厳しい糾弾を受けていた。
ラス「オレは思いのままに振る舞っただけです。 後ろ暗いことなど何もありません」
そう告げたラスさんは、真っ直ぐに国王様を見据える。
国王「この大馬鹿者が……。 ……これまで、多少の火遊びには目をつぶってきたが。 一国の姫君に手出ししたとあっては、私もかばいきれん」
○○「かばいきれないって……ラスさん、いったいどうなるんですか?」
近くにいた大臣さんにそっと尋ねると、彼は無念そうに唇を震わせながら口を開く。
大臣「元老院の怒りに触れたラス様は、このままですと監獄送りを免れません……」
(ラスさんが監獄に……!?)
ラスさんはちらりと私達に視線を送ったものの、少しも怯む姿は見せない。
(そんな……このままじゃ、ラスさんが……!)
悠然と立つラスさんの姿に、私の胸は張り裂けそうになった…ー。