こよみの国・九曜 奏の月・・・-。
年のはじめ・・・・・・こよみの国には各国の人々が訪れ、華やかに賑わっていた。
この国の中心には光来山がそびえ立ち、そこからご来光を見ると、一年を健康に過ごせると言われている。
数日前・・・-。
エドモント「一年の始まりを素敵なものにしたい。○○、ご来光を一緒に見に行かないか?」
エドモントさんにそう誘われてこの国を訪れた私は、吐く息も白く染まる街を歩いていた。
待ち合わせ場所の九曜の街の入り口で、彼の姿を探す。
(少し早めに着いちゃった)
溢れ返る人々の中、柱にもたれるエドモントさんの姿を見つけた。
(エドモントさん・・・・・・早い)
エドモントさんは白い息を吐きながら、両腕をさすっている。
(寒そう・・・・・・もしかして随分待たせちゃったかな?)
エドモント「○○」
エドモントさんは私に気がつくと、いつもの柔らかな笑みをたたえて手を振る。
○○「お待たせしてしまって、すみません」
エドモント「いや、俺も今来たところだよ」
見つめ合う私達の間に、白い息が立ち昇る。
エドモントさんはそれを見て、さっと手袋を差し出してくれた。
エドモント「俺の手袋だけど、よければ使って? 今日は寒いからね」
○○「エドモントさんが冷えてしまいます・・・・・・私なら、大丈夫です」
躊躇う私に、エドモントさんは手袋をはめてくれる。
エドモント「俺のことは気にしないで。さあ、行こう」
手袋にはエドモントさんの温もりが残っている。
それは、私を心まで優しく包み込んでくれる暖かさだった・・・-。