第1話 待ち合わせの時間

こよみの国・九曜 奏の月・・・-。

年のはじめ・・・・・・こよみの国には各国の人々が訪れ、華やかに賑わっていた。

この国の中心には光来山がそびえ立ち、そこからご来光を見ると、一年を健康に過ごせると言われている。

数日前・・・-。

エドモント「一年の始まりを素敵なものにしたい。○○、ご来光を一緒に見に行かないか?」

エドモントさんにそう誘われてこの国を訪れた私は、吐く息も白く染まる街を歩いていた。

待ち合わせ場所の九曜の街の入り口で、彼の姿を探す。

(少し早めに着いちゃった)

溢れ返る人々の中、柱にもたれるエドモントさんの姿を見つけた。

(エドモントさん・・・・・・早い)

エドモントさんは白い息を吐きながら、両腕をさすっている。

(寒そう・・・・・・もしかして随分待たせちゃったかな?)

エドモント「○○」

エドモントさんは私に気がつくと、いつもの柔らかな笑みをたたえて手を振る。

○○「お待たせしてしまって、すみません」

エドモント「いや、俺も今来たところだよ」

見つめ合う私達の間に、白い息が立ち昇る。

エドモントさんはそれを見て、さっと手袋を差し出してくれた。

エドモント「俺の手袋だけど、よければ使って? 今日は寒いからね」

○○「エドモントさんが冷えてしまいます・・・・・・私なら、大丈夫です」

躊躇う私に、エドモントさんは手袋をはめてくれる。

エドモント「俺のことは気にしないで。さあ、行こう」

手袋にはエドモントさんの温もりが残っている。

それは、私を心まで優しく包み込んでくれる暖かさだった・・・-。

 

 

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