反乱軍領主が病に倒れているとの報せを受け、雷さんは顔色を変えた。
(雷さん……何を考えているの?)
いつもよりも数段、表情を険しくさせる彼に、不安が募る。
雷「たたくなら今しかない」
〇〇「え……?」
雷「たたくなら今だと言ったのだ。 合戦だ」
〇〇「そんな……!」
(雷さんは……本当にそう思っているの?)
〇〇「か……家臣の人だったら、話せばわかってくれるかもしれません。 無闇に血を流すよりも、話し合いをするのはどうですか」
沈痛な表情の彼を見ていられなくて、私は言い募ってしまう。
雷「……」
雷さんは、苦い顔をして首を振る。
雷「何を言い出すかと思えば……」
しかし苦々しいその顔は、どこか悲しそうで……
雷「駄目だ」
〇〇「でも……」
雷「無駄なことなのだ。 教えてやる、あの男のことを」
雷さんは皮肉めいた顔をして、私を部屋へ促した…-。