フロストさんの嫉妬が嬉しく、背中に寄り添ってからしばらくの時が経ち……
フロスト「おい、あれを見ろ」
照れ隠しなのか、フロストさんが近くの建物を指し示す。
フロスト「おみくじ、と書いてある。確か、一年の吉兆を占うものではなかったか」
○○「はい。引いてみますか?」
フロスト「ああ。何事も経験することが大事だ」
一向にこちらを向かないフロストさんと並んでおみくじを引くと……
○○「私、大吉です。フロストさんは……」
フロスト「……大凶? これはいいのか? 悪いのか?」
(大凶……!?)
首をかしげているフロストさんに、何と言っていいかわからない。
○○「えっと………病気になる……とか、なくしものをする……とか、仕事に失敗する……とか」
しどろもどろに伝えると、フロストさんは楽しそうに笑った。
フロスト「ほう。そんなに次々悪いことが起きたら、いっそ面白そうだ。 ただの遊びだろう? 気にすることはない」
○○「そう、ですよね」
(でも、なんだか心配になっちゃう……)
(穏やかな新年を楽しんでもらうって決めたのに)
(どうか、フロストさんに何も起こりませんように……)
不安な気持ちを拭えずに、私は強く目をつむり空に祈った…―。