月6話 不穏な予感

フロストさんの嫉妬が嬉しく、背中に寄り添ってからしばらくの時が経ち……

フロスト「おい、あれを見ろ」

照れ隠しなのか、フロストさんが近くの建物を指し示す。

フロスト「おみくじ、と書いてある。確か、一年の吉兆を占うものではなかったか」

○○「はい。引いてみますか?」

フロスト「ああ。何事も経験することが大事だ」

一向にこちらを向かないフロストさんと並んでおみくじを引くと……

○○「私、大吉です。フロストさんは……」

フロスト「……大凶? これはいいのか? 悪いのか?」

(大凶……!?)

首をかしげているフロストさんに、何と言っていいかわからない。

○○「えっと………病気になる……とか、なくしものをする……とか、仕事に失敗する……とか」

しどろもどろに伝えると、フロストさんは楽しそうに笑った。

フロスト「ほう。そんなに次々悪いことが起きたら、いっそ面白そうだ。 ただの遊びだろう? 気にすることはない」

○○「そう、ですよね」

(でも、なんだか心配になっちゃう……)

(穏やかな新年を楽しんでもらうって決めたのに)

(どうか、フロストさんに何も起こりませんように……)

不安な気持ちを拭えずに、私は強く目をつむり空に祈った…―。

 

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