ゆっくりと目を開けると、しとしとと窓を叩く雨の音が耳を優しく覆う。
キース「気がついたか」
声のする方を振り向くと、キースさんがすぐ傍に腰を掛けていた。
〇〇「キースさん……っ」
(私……倒れてしまって)
ベッドに寝かされていた私は、あわてて起き上がろうとする。
キース「寝ていろ。今水を用意する」
〇〇「ごめんなさい、私……!」
キース「ひどい熱だ……昨日も今日も雨に濡れさせてしまったからな」
〇〇「また、ご迷惑を……!」
キース「別にいい」
キースさんは、私のまぶたにそっと手を載せる。
キース「……もう少し、眠れ」
彼の優しい声が私の胸に響く。
優しい暗闇の中で、私はそっと瞳を閉じた…-。