桜花さんは再びふせってしまい、また会えない日々が続いた。
(私には……何もできないのかな)
私は桜花さんの部屋の前で立ち尽くし、自分のふがいなさを責めていた。
その時、女中さんが桜花さんの部屋から出てきた。
○○「あ、あの……桜花さんは大丈夫なのでしょうか……?」
女中「そう……ですね」
女中さんは私の姿を見て、戸惑いの表情を浮かべる。
○○「何か重い病気……なのですか?」
女中「……」
○○「私……桜花さんのことが心配で」
心から言葉がこぼれる。
あの美しく儚い微笑みを思い出すだけで、胸がいっぱいになった。
女中「桜花様が苦しんでいらっしゃるのは……大病ではなく、呪い……なのです」
○○「呪い……?」
その時、従者の方が桜花さんの部屋から出てきた。
従者「○○様……桜花様がお呼びです。よろしいでしょうか?」
○○「……! はい!」
(呪いって……どういこと?)
重く聞き慣れない言葉に、胸が不安に支配されていく。
その気持ちを抑えながら、私は桜花さんの部屋に足を踏み入れた…―。