九曜の街並みが、月明かりに照らし出されている…-。
〇〇「ごめんなさい……私、ヒノトさんにひどいことを」
ヒノト「ううん、俺の方こそこの間は急に帰っちゃってごめんね」
〇〇「でも悪いのは私で…-」
ヒノト「いや、何も言わなくていいんだよ。俺もあれからすごく反省したから」
私の言葉を遮って、ヒノトさんが続ける。
ヒノト「付き合いたいなんて言いながら、肝心の君の気持ちを考えてなかったよね。 あれじゃ寂しがり屋の気晴らしみたいで……君が俺の気持ちに疑問を抱くのも無理はないよ」
そう言って彼は笑って見せるけど、その笑顔は無理をしているように見える。
(違う……こんな顔をさせたいわけじゃないのに)
ヒノト「ごめん。この後、行くところがあるから……」
〇〇「待って! 私の話を聞いてください」
私は踵を返す彼の背中を呼び止めた…-。