真琴「・・・・なら僕は、ここで死ぬよ」
真琴君の声が、頭の中に反響している。
○○「真琴君・・・・?」
何とか声を絞りだして、彼の名前を呼ぶ。
真琴「復讐は僕の生きる意味そのもの。それをやめろって言うんだったら・・・・。 僕にここで、死ねってことでしょ?」
○○「そんな・・・・!」
彼の瞳をすがるように見つめる。
真琴「・・・・くくっ!あはははっ!いいね、その顔。最高!」
○○「・・・・!」
真琴君はくすくすと笑い、やがて顎に手を当てて何かを考え始めた。
真琴「そうだなあ・・・・。 君が代わりになってくれたら、復讐を止めてもいいかも」
○○「え・・・・」
(どういう・・・・こと?)
その言葉の真意がわからずに、何も言えずにいると・・・・
真琴「どうするの?○○」
○○「えっ・・・・」
じれったそうに真琴君が眉をひそめる。
真琴「君が、こいつらの代わりに僕の生きる理由になってくれるのなら。 僕は復讐を止めてもいいよ」
(生きる・・・・理由・・・・?)
真琴君は私の返答を待っていたようだけれど、私は目をまばたかせることしかできない。
真琴「・・・・そう、できないんだ」
やがて痺れを切らせたのか、彼は・・・・
真琴「できないなら・・・・」
腕を折られた男の方に、残忍な笑みを浮かべて向き直る。
男「ひっ・・・・!」
○○「ま・・・・待って!わかった!!」
反射的に、口から言葉が飛び出した。
真琴「ありがとう!○○なら、そう言ってくれると思ってた♪」
この上なく楽しそうに笑って、真琴君がこちらを振り返る。
○○「でも・・・・私、どうすれば・・・・」
真琴「・・・・こういうことだよ♪」
私を見据える彼の瞳が怪しく光る。
その光に捉えられると、私の体は自由を奪われてしまう。
ー----
真琴「・・・・目が合った相手はね、僕の思い通りなんだ」
ー----
真琴「さあ、帰ろうか・・・・」
踵を返して歩き出す真琴君を追うように、私の足が勝手に歩み出す。
(どうして・・・・っ)
真琴「いい顔してるね・・・・大好きだよ、その顔」
私を振り返る彼の表情に、恐怖で顔が青ざめていくことがわかる。
そんな私を見ながら、真琴君は満足げに微笑むのだった・・・・ー。