魔法科学の国・ダテン 奏の月・・・・ー。
高層ビルの立ち並ぶ大都会が、私に前にいた世界を思い出させる。
車のクラクションの音や忙しそうに行き交う人々の姿が、とても懐かしく感じられた。
真琴「ごめんね、わざわざこんなところに来てもらっちゃって」
その声に振り返ると、真琴君が大きな瞳で私を見つめていた。
○○「真琴君・・・・久しぶり!」
真琴「久しぶり、○○」
黒目がちな瞳をにっこりとさせて微笑む。
真琴「うるさくてびっくりした?」
○○「ううん、前に私が住んでた街みたいで、なんだか懐かしくて嬉しい」
真琴「そっか。じゃあよかった!」
真琴君はにっこりと笑った後、ふと視線を私の足の方に向けた。
下を見ると、どこからやって来たのか、茶色い毛の小犬が私を見上げている。
(・・・・迷子なのかな?)
真琴「かっわいー!お前、どこから来たの?」
真琴君が隣にしゃがんで、その犬を優しく撫でた。
(すごく優しい顔・・・・)
○○「真琴君、動物好きなの?」
真琴「うん!大好き!!」
真琴君が満面の笑みを私に向けた。
(かわいい笑顔・・・・)
真琴「迷子?よしよし、そんな目で見なくても大丈夫だよ。 ねぇ、○○、この子の飼い主、探してあげようよ!」
○○「うん!」
真琴君の無邪気な笑顔に、私も頬が緩む。
でも・・・・
私はまだこの時、本当の真琴君を知らなかった・・・・ー。