第1話 無垢な笑顔

魔法科学の国・ダテン 奏の月・・・・ー。

高層ビルの立ち並ぶ大都会が、私に前にいた世界を思い出させる。

車のクラクションの音や忙しそうに行き交う人々の姿が、とても懐かしく感じられた。

真琴「ごめんね、わざわざこんなところに来てもらっちゃって」

その声に振り返ると、真琴君が大きな瞳で私を見つめていた。

○○「真琴君・・・・久しぶり!」

真琴「久しぶり、○○」

黒目がちな瞳をにっこりとさせて微笑む。

真琴「うるさくてびっくりした?」

○○「ううん、前に私が住んでた街みたいで、なんだか懐かしくて嬉しい」

真琴「そっか。じゃあよかった!」

真琴君はにっこりと笑った後、ふと視線を私の足の方に向けた。

下を見ると、どこからやって来たのか、茶色い毛の小犬が私を見上げている。

(・・・・迷子なのかな?)

真琴「かっわいー!お前、どこから来たの?」

真琴君が隣にしゃがんで、その犬を優しく撫でた。

(すごく優しい顔・・・・)

○○「真琴君、動物好きなの?」

真琴「うん!大好き!!」

真琴君が満面の笑みを私に向けた。

(かわいい笑顔・・・・)

真琴「迷子?よしよし、そんな目で見なくても大丈夫だよ。 ねぇ、○○、この子の飼い主、探してあげようよ!」

○○「うん!」

真琴君の無邪気な笑顔に、私も頬が緩む。

でも・・・・

私はまだこの時、本当の真琴君を知らなかった・・・・ー。

 

 

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