カストル「……君は優しい人だね。ありがとう、ポルックスのことを心配してくれて」
ポルックス「カストルの負担になることはやめろ」
二人の力になりたいと思うものの、一体どうしていいかわからないままに時間が過ぎていく…一。
◯◯「……カストルさん」
カストル「◯◯……う…」
◯◯「カストルさん!?」
カストル「ポルッ……クス……」
◯◯「あ……」
ポルックス「……カストルに近づくなと言ったはずだ」
カストルさんと話をしょうと思っても、ポルックスさんがそれを許してはくれなかった…ー。
(私が、余計なことをしているから……?)
(これ以上、私が何かをすることは、二人にとって迷惑なだけなんだ)
私は明日城を出ることを決め、眠りに就いた。
そして翌日……身支度を済ませたところで、王子が部屋を訪れた。
◯◯「……!」
カストル「身構えないで? ポルックスは今眠っている。 僕が、神経を使わせすぎちゃったのかもしれないね」
◯◯「違います! それは私のせいで……体は大丈夫ですか?」
カストル「大丈夫だよ。ごめんね」
カストルさんは、まとめた私の荷物に視線を向けた。
カストル「せっかく助けてくれたのに、ろくなもてなしもできないまま……すまなかった。 僕がポルックスのように強い魂を持っていれば、こんなこともなかったのだけど」
◯◯「……カストルさん」
しばらく口を噤んで、やがてカストルさんは真剣な目をして口を開いた…ー。