私の話を聞いたエドモントさんは、ひどく驚いた顔をしていた。
けれどすぐにいつもの調子に戻り、意を決した表情で口を開いた。
エドモント「……行こう」
男の子の家へ向かう道中、エドモントさんは驚いた理由について話してくれた。
昔、街に来ていた時によくしてくれた大人の一人が、男の子の母親であるのだと……
男の子「おねえちゃん!」
すぐに家の中から男の子が駆け出してくる。
男の子「本当に王子様だっ! エドモント様だ!! おかあさーんっ」
ぱたぱたと忙しなく私達と母親の間を、男の子が行き来する。
母親「まさか、本当に……エドモント様……ッ」
エドモントさんの姿に目を見開いた後、男の子の母親は、激しく咳き込んでしまう。
エドモント「久しぶりだね。どうぞ、横になっていて」
エドモントさんがそっと男の子のお母さんの背を支えて、横たえる。
母親「エドモント様、当時は……あんなことになってしまって……。 私達は何とエドモント様に、お詫びすればよいのか……ッ」
その言葉に、エドモントさんは悲しげに目を伏せた…_。