太陽6話 挑戦の決行

シューズの中に入っていた画鋲で足を怪我したヴィオさんは、簡単に手当てを受けた後、すぐにウォーミングアップを始めていた。

(いくら画鋲でも、血を滲んでいたし……)

(それに……)

さきほど手当てをした時、ヴィオさんの足がかすかに震えていた。

瞳もせわしく瞬かせていて、彼の心の動揺が伝わって来るようで……

○○「ヴィオさん……やっぱり、日を改めた方がいいんじゃないでしょうか」

心配でたまらなくなり、私は彼にそう問いかけた。

ヴィオ「いや、今日でなきゃ駄目だ。今日でないと…意味がない」

有無をいわさぬヴィオさんの姿には、鬼気迫るものさえ感じられる。

ヴィオ「○○は、観客席であの男の子と一緒に見ててくれ。 いいな?」

ヴィオさんは私の両肩を手で掴むと、真剣な顔で私を見据えた…―。

 

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