ヘラクレス「彼女に……手を出すな……!」
荒い息を吐き出し、ヘラクレスは男の首を掴み上げる。
ヘラクレス「……」
男「ぐっ……!」
〇〇「ヘラクレス!」
震える声で、彼の名前を叫んだ。
けれど、彼は私を一瞥すると、再び男へ視線を戻した。
ヘラクレス「オレを怒らせるからだ……」
(駄目……!)
――――――――――
ヘラクレス「戦いたくはないけど、向かってくるなら仕方ないね」
ヘラクレス「もし何かのはずみで、キミに怪我をさせたらって思ったら……怖くなって」
――――――――――
(ヘラクレスは、誰も傷つけたくないのに……こんなの……!)
ヘラクレスが、男の首を掴んだまま振りかぶる。
〇〇「やめて!」
震える足で駆け出すと、私は彼を後ろから抱きしめた…―。