第1話 優しい瞳

星の国・オリンポス 虹の月…―。

暑い日差しが、木々の隙間できらきらと輝く…―。

その光の中、一人の青年が目を覚ました。

??「あれ……オレ今まで……」

柔らかそうな金色の髪を撫で、彼は数度まばたきを繰り返す。

〇〇「あの、大丈夫ですか?」

??「もしかして、キミが助けてくれたの?ありがと~!」

〇〇「っ……!」

彼は私の手を取り、満面の笑みを浮かべた。

髪の色と同じ金色の瞳が、優しく私を見つめる。

(すごく優しそうな笑顔……)

彼の笑顔に、私の緊張もほどけていく。

その時、彼の肩をよじ登る小さな影を見つけた。

(あれ? これって……)

両手に収まるぐらいの、小さなハリネズミ……

(かわいい……!)

??「お! ネメァ、お前も無事だったのか?」

ネメァ「ミィ~」

その鳴き声に、彼はまた笑みを深くする。

ヘラクレス「オレ、ヘラクレスって言うんだ。こっちはネメァ。 キミは?」

〇〇「〇〇です」

ヘラクレス「そっかそっかー〇〇ちゃん。 綺麗な名前だね!」

〇〇「!」

(そう言われると、なんだか恥ずかしい……)

ヘラクレス「あ、そうだ! オレ、行きたいところがあったんだ……」

彼はソワソワと辺りを見渡すと、困ったように私を振り返った。

(どうしたんだろう?)

ヘラクレス「えーっと……よかったら、〇〇ちゃんも一緒に来る?」

〇〇「え? ……私も?」

戸惑う私に、ヘラクレスさんが人懐っこい笑みを浮かべた…―。

 

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