星の国・オリンポス 虹の月…―。
暑い日差しが、木々の隙間できらきらと輝く…―。
その光の中、一人の青年が目を覚ました。
??「あれ……オレ今まで……」
柔らかそうな金色の髪を撫で、彼は数度まばたきを繰り返す。
〇〇「あの、大丈夫ですか?」
??「もしかして、キミが助けてくれたの?ありがと~!」
〇〇「っ……!」
彼は私の手を取り、満面の笑みを浮かべた。
髪の色と同じ金色の瞳が、優しく私を見つめる。
(すごく優しそうな笑顔……)
彼の笑顔に、私の緊張もほどけていく。
その時、彼の肩をよじ登る小さな影を見つけた。
(あれ? これって……)
両手に収まるぐらいの、小さなハリネズミ……
(かわいい……!)
??「お! ネメァ、お前も無事だったのか?」
ネメァ「ミィ~」
その鳴き声に、彼はまた笑みを深くする。
ヘラクレス「オレ、ヘラクレスって言うんだ。こっちはネメァ。 キミは?」
〇〇「〇〇です」
ヘラクレス「そっかそっかー〇〇ちゃん。 綺麗な名前だね!」
〇〇「!」
(そう言われると、なんだか恥ずかしい……)
ヘラクレス「あ、そうだ! オレ、行きたいところがあったんだ……」
彼はソワソワと辺りを見渡すと、困ったように私を振り返った。
(どうしたんだろう?)
ヘラクレス「えーっと……よかったら、〇〇ちゃんも一緒に来る?」
〇〇「え? ……私も?」
戸惑う私に、ヘラクレスさんが人懐っこい笑みを浮かべた…―。