月6話 世界の魔術料理

〇〇「イリアさん。何か展示の参考になるものはありましたか?」

イリア「そうですね……いろいろと見て回り、楽しく過ごせました。ありがとうございます」

 

そしてついに迎えた、文化祭当日…-。

私はイリアさんの展示会の準備を手伝っていた。

イリア「たこ焼きからヒントを得まして、世界の魔術料理のレシピを展示してみることにしました」

イリアさんが作成した展示物は、どれもわかりやすく、興味を引くものばかりだった。

(さすがイリアさん……)

その手を止めて、思わず見入ってしまいそうになる。

イリア「……」

突然、イリアさんの準備をする手が止まってしまう。

〇〇「イリアさん、どうされましたか?」

イリア「〇〇様に手伝ってもらってばかりで、申し訳ないです」

〇〇「そんな……大丈夫です! それに、こんなに素敵な展示なら、きっと皆さん見にきてくれますよ」

その時、廊下に人影が過る。

(お客さんかな?)

私とイリアさんは顔を見合わせ、その近づいてくる人影に期待を持つ。

(見に来てくれるといいな)

人影は教室の前に立ち、扉に手をかけて…-。

??「あの……っ!」

勢いよく扉が開かれて現れたのは、隣のクラスの男子学生だった。

息を切らし、顔は青ざめてしまっている。

〇〇「どうしたんですか?」

尋常ではない様子の彼に、私達は駆け寄った。

??「お願いします……助けてください!」

彼の必死な形相に、その場に緊張が走った…-。

 

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