〇〇「イリアさん。何か展示の参考になるものはありましたか?」
イリア「そうですね……いろいろと見て回り、楽しく過ごせました。ありがとうございます」
そしてついに迎えた、文化祭当日…-。
私はイリアさんの展示会の準備を手伝っていた。
イリア「たこ焼きからヒントを得まして、世界の魔術料理のレシピを展示してみることにしました」
イリアさんが作成した展示物は、どれもわかりやすく、興味を引くものばかりだった。
(さすがイリアさん……)
その手を止めて、思わず見入ってしまいそうになる。
イリア「……」
突然、イリアさんの準備をする手が止まってしまう。
〇〇「イリアさん、どうされましたか?」
イリア「〇〇様に手伝ってもらってばかりで、申し訳ないです」
〇〇「そんな……大丈夫です! それに、こんなに素敵な展示なら、きっと皆さん見にきてくれますよ」
その時、廊下に人影が過る。
(お客さんかな?)
私とイリアさんは顔を見合わせ、その近づいてくる人影に期待を持つ。
(見に来てくれるといいな)
人影は教室の前に立ち、扉に手をかけて…-。
??「あの……っ!」
勢いよく扉が開かれて現れたのは、隣のクラスの男子学生だった。
息を切らし、顔は青ざめてしまっている。
〇〇「どうしたんですか?」
尋常ではない様子の彼に、私達は駆け寄った。
??「お願いします……助けてください!」
彼の必死な形相に、その場に緊張が走った…-。