太陽6話 魔術の展示会

〇〇『イリアさん、何か展示の参考になるものはありましたか?』

イリア『そうですね……いろいろと見て回り、楽しく過ごせました。ありがとうございます』

 

そしてついに迎えた、文化祭当日…-。

私はイリアさんの展示会の準備を手伝っていた。

イリア『〇〇様にお見せした光の魔術をベースにしたものを展示することにしました』

イリアさんが作成した展示物は、どれもわかりやすく、興味をひくものばかりだった。

(さすがイリアさん……)

その手を止めて、思わず見入ってしまいそうになる。

イリア「……」

突然、イリアさんの準備をする手が止まった。

〇〇「イリアさん、どうされましたか?」

イリア「たくさんの人が来てくれるといいのですが……」

イリアさんは、深いため息を吐く。

〇〇「こんなに素敵な展示なら、きっと大丈夫ですよ」

不安そうに展示を見つめるイリアさんに、私は笑いかけた。

イリア「しかし、他の方々のように華やかで楽しい感じのものではないですし……」

その時、廊下に人影が過って…-。

(誰か来た……!?)

私とイリアさんは顔を見合わせ、その人影が近づいてくることに期待した。

人影は教室の前に立ち、扉に手をかけて…-。

執事「イリア様、ご機嫌いかがでしょうか?」

イリア「……!」

教室に入ってきたのは、イリアさんの城の方々だった。

執事「イリア様のお姿を探しておりました」

イリア「ええ……〇〇様が手伝ってくださっているからとても助かっています」

一瞬、落胆の表情が過ぎるものの、イリアさんは丁寧に執事さん達に展示の説明をしている。

(もっと、たくさんの人達に見てもらいたいな)

そんなことを思いながら、私は熱心に話し込むイリアさんの背中を見つめていた…-。

 

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