サイさんにコーヒーを淹れてもらった翌日…-。
文化祭本番を迎えた今、校舎内は多くの人々で賑わっていた。
そんな中、執事喫茶に行ってみると……
(すごい……!)
サイさんの教室の前には、大勢の女性が並んでいる。
(よかった、大盛況みたい)
私は周りの人達の邪魔にならないように気を付けながら、ドアの隙間から中の様子を伺う。
サイ「おかえりなさいませ、お嬢様」
サイさんはにこやかな笑顔でお客さん達に対応している。
特に緊張している様子もなく、練習の成果が出せているようだった。
女の子1「ねえ、あの人かっこよくない?」
女の子2「うん、一番かっこいい!」
噂話をする女の子達の視線の先には、サイさんがいた。
艶やかな髪に、整った顔立ち、青く綺麗な瞳…-。
サイさんを改めて意識した瞬間、胸が大きく高鳴ってしまう。
(サイさん……やっぱり人気だよね)
(喫茶店も混んでいるみたいだし)
(私がお邪魔しても、迷惑になるかもしれないし……帰ろうかな)
私は少しの間、その場で思案した後、
執事喫茶に入るのを諦めて、立ち去ることにした…-。