ヴァイリーさんの体が、白くまぶしい光に包まれる…―。
懸命に手を伸ばそうとするものの、強い風に押し戻されて近づけない。
(……っ!)
やがて光が消え、そこから現れたのは……
○○「ヴァイリー……さん?」
そこにいたのは、さっきまでのヴァイリーさんではなかった。
全身を赤黒い毛が覆い、耳が鋭く伸びている。
漆黒に支配された瞳には、戸惑う私が映し出されている。
ヴァイリー「グルルル……」
荒い息遣いをする口から、牙がむき出しになっている。
○○「ヴァイリーさん……」
私は立ちすくみ、名前を呼ぶことしかできなかった。
ヴァイリー「来るな……!早くここから……立ち去れ」
○○「ヴァイリーさん、もしかして呪いが……!!」
そのとき、彼は突然凄まじい速さでこちらをめがけて駆けだした。
(……!)
次に見たものは、頭上から爪を私に振りおろそうとする、ヴァイリーさんの姿だった…―。