第1話 森の中の出会い

獣人の国・ヴェリティア・影の月…-。

木々の隙間から差し込む暖かな光に包まれながら、私は城へと続く道を歩いていた。

(なんて綺麗な森……)

しばらく進むと、執事さんとヴァイリーさんが私を待ってくれていた。

老執事「ようこそ、○○様」

微笑む執事さんの優しい表情と対照的に、ヴァイリーさんは険しい顔をしている。

ヴァイリー「聞いてねぇぞ! この国にコイツを招待したなんて」

老執事「ヴァイリー様を目覚めさせてくださったのです。お礼をしなければ」

ヴァイリー「……オマエ、ユメクイとも戦ったのか?」

ヴァイリーさんは怪訝そうに私に尋ねる。

○○「えっ……はい……」

ヴァイリー「信じらんねーな。オマエみたいなのが」

不機嫌そうな彼の様子が気まずく、私はしゅんとしてしまう。すると…―。

ヴァイリー「いや、ちがっ……! オマエちっさいし、細いし……驚いたっつーか」

ヴァイリーさんは目を泳がせ、慌てた様子を見せる。

(……私が黙ってしまったことを気にしてくれたのかな?)

ヴァイリー「わ……わかったよ!! ちょっとだけもてなしてやる。すんだらすぐ帰れよ! それと……目覚めさせてくれて……ありがとな」

ヴァイリーさんはつぶやくように私にお礼を言って、お城へと踵を返した。

(……お世話になって、いいのかな?)

ヴァイリー「何ボサッとしてんだよ、行くぞ!」

○○「はっ、はい!」

執事さんに一礼し、私は先を行く彼の大きな背中を追った。

執事はその場にたたずみ、二人の背中を見つめていた。

老執事「……○○様なら、ヴァイリー様の呪いを……」

 

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