チョコレートの国・ショコルーテ 彩の月…―。
暖かく心地よい陽射しを浴びながら、私をこの国へ招待してくれたリカさんとの出会いを思い出していた。
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リカ「……なら俺は、ユメクイに襲われて、そんなに長く眠ってたのか?」
チョコレート色の髪に、蜂蜜を溶かしたような色の瞳を持つその人は、怪訝そうな眼差しを私に向けていた。
リカ「で、お前が目覚めさせたと」
〇〇「は、はい」
リカ「……」
〇〇「……どうしましたか?」
リカ「……別に。 お前、面白い力持ってるんだな」
(面白い……?)
彼はじろりとにらむように、けれど興味深そうに、私を見つめていた…―。
――――
(どういう意味だったんだろう……)
リカさんは、簡単に私にお礼を言った後、すぐにその場から去って行ってしまった。
彼から招待を受けたのは、それから3週間経ったある日のことだった。
(リカさん、元気にしているのかな?)
やがて、ショコルーテの街並みが遠くに見えてくる。
どこからか、チョコレートの芳醇な香りが漂ってきた…―。