(子猫、どこに行っちゃったの……)
私は子猫を助けるために、燃え盛る小屋の中をさまよっていた。
○○「どこにいるの!?」
煙が立ち込め、思うように周りが見えない。
(どうしよう、こんなじゃ全然子猫が探せない)
やみくもに前に進んでみるけれど……
(苦しい……)
煙がだんだんと充満し、息をすることすら苦しくなってくる。
少しずつ全身の力が抜けていき、その場にふっと倒れ込んでしまった。
(子猫は……無事……? サイさん……)
うずくまり、咳き込んだ、その時…―。
サイ「○○!」
(サイさん……?)
声がした方を見ると、子猫を抱いたサイさんが、私に手を差し伸べている。
○○「サ…イ……」
サイ「しゃべっちゃ駄目だ」
サイさんの手を取ると、安堵で胸がいっぱいになり……
○○「サイさん……!」
助け起こされたときに、思わず彼の胸に顔を寄せた。
サイ「ごめんね、遅くなって」
泣き出しそうな私を安心させるように、空いている方の手で優しく抱きしめてくれた。
サイ「さあ、早く出よう」
彼に助けられながら、子猫も私も、無事に外へと出ることができた。