月6話 燃え盛る炎の中で

(子猫、どこに行っちゃったの……)

私は子猫を助けるために、燃え盛る小屋の中をさまよっていた。

○○「どこにいるの!?」

煙が立ち込め、思うように周りが見えない。

(どうしよう、こんなじゃ全然子猫が探せない)

やみくもに前に進んでみるけれど……

(苦しい……)

煙がだんだんと充満し、息をすることすら苦しくなってくる。

少しずつ全身の力が抜けていき、その場にふっと倒れ込んでしまった。

(子猫は……無事……? サイさん……)

うずくまり、咳き込んだ、その時…―。

サイ「○○!」

(サイさん……?)

声がした方を見ると、子猫を抱いたサイさんが、私に手を差し伸べている。

○○「サ…イ……」

サイ「しゃべっちゃ駄目だ」

サイさんの手を取ると、安堵で胸がいっぱいになり……

○○「サイさん……!」

助け起こされたときに、思わず彼の胸に顔を寄せた。

サイ「ごめんね、遅くなって」

泣き出しそうな私を安心させるように、空いている方の手で優しく抱きしめてくれた。

サイ「さあ、早く出よう」

彼に助けられながら、子猫も私も、無事に外へと出ることができた。

 

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