アポロのお兄様が攻め入った後…ー。
城は以前にも増して厳重な警備がされるようになった。
アポロ「……」
今日は、少し外の空気に当たろうと、アポロと一緒に中庭で過ごしているけれど、彼の表情は、厳しく険しいままで……
(アポロもやっぱり、神経質になってるみたいだし……大丈夫かな)
その時…ー。
兵士1「うああああああ!!!!!」
〇〇「……!?」
アポロ「……!」
突然、正気とは思えない形相をした兵士が一人、アポロに斬りかかってきた。
アポロは、素早くそれをよけたかと思うと、一瞬にして兵士の腕を殴り剣を落とさせた……
アポロ「貴様……どういうことか説明しろ!」
兵士1「うあああっ……!」
アポロは、落ちた剣を足で蹴り上げ手に取ると、兵士の首元に突きつけた。
〇〇「……っ!」
その光景に、思わず目を逸らした。
アポロ「言え。言わぬなら、斬る」
兵士が痛みと恐怖に震えながら、口を開きかける。
けれどそれよりも先に…ー。
兵士2「追い込めえっ!!!」
兵士3「うああああああああ!!」
大勢の兵士達が、中庭へ駈け込んできた。
アポロ「……どういうことだ」
アポロの体に熱がこもり始める。
(本当に……いったいどうなっているの!?)
アポロの手の上に炎が宿る。
そして……襲い来る兵士達を薙ぎ払うように焼いた。
アポロ「くっ……まだ来るか」
アポロが忌々しげに唇を噛みしめる。
アポロ「この場はやり過ごす……来い」
〇〇「え……?」
小さくそうつぶやいたアポロが、私を抱き上げる。
そうして、私達は城を追われてしまったのだった…ー。