(いい天気だ……)
僕と○○は、並んで寝転がりながら、青空を見上げた。
(自分の気持ちを、ちゃんと言えてよかった……)
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アルマリ『……○○に恋しちゃったんだ』
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(初めて抱くこの気持ちを、笑わずに受け止めてくれて……嬉しかった)
僕は、○○の横顔をじっと見つめた。
(長いまつ毛、品のいい唇……誰よりもかわいいと思うのに……)
(それなのに、メイド達は……)
僕は、メイド達の噂話にいまだに腹を立てている。
―――――
メイド『トロイメアの姫君ってどんな方かと楽しみにしてたのに……普通の街娘のようで』
――――
(○○は全然普通じゃない!)
(僕には○○がきらきら輝いて見えるのに……)
僕はまじまじと○○の顔を見てみる。
(もう少し、色の濃いリップをつけてみたらどうだろう?)
(洋服ももっと派手な色にしたら……)
○○「ア、アルマリ?」
○○が、戸惑いながら僕の方を見た。
○○の頬は、ほんの少し赤くなっている。
(触れたい……)
突然、僕はそんな衝動に駆られる。
その衝動のままに、僕は○○の頬にそっと手を伸ばした。
○○「……!」
アルマリ「頬が夕焼けより赤くなってる」
楽器を奏でるように、指を○○の唇へ伝わせる。
○○「……っ!」
アルマリ「唇はもっと濃いリップをつけてもいいと思う」
○○「……ア、アルマリ?」
アルマリ「言ったでしょ? 僕はどんどん欲張りになっちゃってるって」
○○「そ、そうだけど……」
アルマリ「やっぱり、こんな僕はいやだ?」
○○「いや……じゃないけど」
アルマリ「よかった」
(じゃあ……)
僕はさらに○○に体を近づける。
○○は戸惑ったようにまつ毛を伏せた。
(○○が好きだ……)
僕は、○○の体を強く抱きしめる。
アルマリ「○○……」
トルマリとは違う柔らかなその肌に、僕は頬を擦り寄せた…-。
おわり。