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シュテル「君は……馬鹿だね。 ありがとう」
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それからすぐのこと…―。
王妃様への一連のご報告を終え、シュテルさんは、私を連れてすぐにメテオベールを出た。
シュテル「君に会わせたい人がいる」
そう言うシュテルさんに連れられ、降り立った星で……
私はなぜか、シュテルさんのお父様……
国王様と向き合ってお茶の席に着いていた。
(まさか、会わせたい人が国王様だったなんて……)
何を話して良いのかもわからず黙り込んでいると、シュテルさんがお茶を運んできてくれた。
(いい香りがする……)
彼が淹れてくれたお茶からはほの甘い香りがして砂糖の代わりに金平糖が添えられている。
国王「済まないね。研究室には、メイドの出入りを許していないんだ」
○○「いえ、そんな」
緊張して、声が少しかすれてしまう。
シュテル「○○、驚いた?父上は、国王陛下であるとともに高名な学者でもあるんだ。 普段は王宮ではなく、この星で国の為の研究をなさってる。僕の憧れで……」
国王「その辺にしておけ。ところで、体は良いのか? また、このように出歩いたりして」
シュテル「はい……そのことで、お話が」
シュテルさんは、そこまで言うと、なぜだか私に向き合った。
シュテル「彼女が、願ってくれたんです。僕とずっと一緒にいたい……と」
国王様は、かすかに首を傾げた後、ハッとシュテルさんの胸元を見つめた。
国王「星屑時計か……?」
シュテル「はい。どういう訳か……もう、願いを叶えても星屑は減らないようです 僕は、父上にお許しをいただきに来たのです」
国王「許し……?」
シュテル「はい……」
すっと息を吸って、シュテルさんは国王様の方に凛と向き直った。
シュテル「この命は、国と彼女の為に使いたい。この先、ずっと」
○○「え……!?」
彼が、私の手を握る。
(何が起こったの……?)
国王様がカップを置く音が、静かな部屋に響いた…―。