月5話 グラッドの怒り

グラッドくんが走り去ってしまった後…ー。

私は彼のために作った大量のパンを持って、街へとやってきた。

○○「よかったらどうぞ。焼きたてのパンです」

街の人1「まあ、美味しそう!どうもありがとう」

こども1「僕にもちょうだーい!」

こども2「やったー!」

配り始めたパンは思いの外好評で、多くの人が手に取ってくれた。

けれども…ー。

グラッド「何してんだ」

○○「……!」

唐突に腕を引かれた私が顔を上げると、そこにはグラッドくんの姿があった。

グラッド「……!それ……」

彼は、私が配るパンを見て顔色を変える。

(どうしたんだろう……怒ってる……?)

○○「あの…ー」

その時…ー

「……っ!」

グラッドくんは私を抱き寄せると、そのまま唇を重ねた。

(えっ……!?)

突然の出来事に、頭が真っ白になる。

(キス……されてる!?)

街の人1「グ、グラッド様……!?」

街の人2「い、一体……」

私達の姿を見て、街の人たちが驚きの声を上げた。

そうして、唇が離れた後…ー。

○○「あ、あの……」

グラッド「……」

グラッドくんは怒ったような表情を浮かべたまま、私の手を引いて、無言で歩き始めたのだった…ー。

 

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