グラッドくんが走り去ってしまった後…ー。
私は彼のために作った大量のパンを持って、街へとやってきた。
○○「よかったらどうぞ。焼きたてのパンです」
街の人1「まあ、美味しそう!どうもありがとう」
こども1「僕にもちょうだーい!」
こども2「やったー!」
配り始めたパンは思いの外好評で、多くの人が手に取ってくれた。
けれども…ー。
グラッド「何してんだ」
○○「……!」
唐突に腕を引かれた私が顔を上げると、そこにはグラッドくんの姿があった。
グラッド「……!それ……」
彼は、私が配るパンを見て顔色を変える。
(どうしたんだろう……怒ってる……?)
○○「あの…ー」
その時…ー
「……っ!」
グラッドくんは私を抱き寄せると、そのまま唇を重ねた。
(えっ……!?)
突然の出来事に、頭が真っ白になる。
(キス……されてる!?)
街の人1「グ、グラッド様……!?」
街の人2「い、一体……」
私達の姿を見て、街の人たちが驚きの声を上げた。
そうして、唇が離れた後…ー。
○○「あ、あの……」
グラッド「……」
グラッドくんは怒ったような表情を浮かべたまま、私の手を引いて、無言で歩き始めたのだった…ー。