太陽5話 グラッドからの呼び出し

ー----

グラッド「何だかよくわからないけど、パンを見た瞬間、ドキドキして……。 それなのに食べられないって思ったら、苛々して……。 こんなのは初めてだし、こんなふうに食い物のことを考えたのも初めてだ……!」

ー----

走り去ってしまったグラッドくんのことを考えると、胸が痛む。

けれども…―。

執事「○○様、少々よろしいでしょうか」

○○「あっ、はい。どうぞ」

執事さんは静かに扉を開け、私の元へやってくる。

そして……

執事「こちらで、グラッド様がお持ちです」

執事さんはそう言って、私に印のついた地図を手渡す。

○○「これは……」

執事「私も、詳細は伺っていないのですが……。 『さっきのパンを持って、ここに来てほしい』とのことです」

○○「えっ……?」

グラッドくんの真意はわからなかったものの、私はその地図を元に、グラッドくんの待つ場所へと向かったのだった…―。

……

○○「グラッドくん」

私が緊張しながら声をかけると、グラッドくんは少しバツの悪そうな顔をする。

けれども、すぐ頭を下げ……

グラッド「……さっき、混乱してた。ごめん。 ちゃんと話がしたくて呼び出した」

彼はそう言った後、顔を上げて私を真っすぐに見つめる。

(話……それじゃあ私、嫌われてるわけじゃないのかな?)

そう思った瞬間、少しだけ肩の力が抜け……私はグラッドくんに、大きく頷いたのだった…―。

 

<<第4話||太陽最終話>>