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ウェディ「な……お、お前ら……っ」
〇〇「! ウェディくん……!?」
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ウェディくん達と出かけた日から、数日後…―。
私は、憂鬱な気持ちで霧に煙る中庭を城の回廊から眺めていた。
〇〇「……」
セロさんからの告白をウェディくんに見られて以来、私とウェディくんの間には、ぎこちない空気が漂っている。
今朝も、回廊ですれ違った時に…ー。
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〇〇「あの……おはよう、ウェディくん」
ウェディ「は?声かけてくんな、バーカ!」
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足早にその場を去ってしまったウェディくんの姿を思い返し、胸の奥がちくりと痛んだ、その時だった。
〇〇「あ……」
ウェディくんが、こちらに向かって歩いてくる。
(どうしよう、嫌われたなら顔を合わせない方が……)
そう思った私が、とっさに踵を返した瞬間…―。
ウェディ「おい!誰が勝手にいなくなれって言った!? 顔くらいちゃんと見せろよ!」
鋭い声に振り返ると、ウェディくんが不機嫌そうに私をにらんでいた。
ウェディ「……」
〇〇「……」
彼はしばらくの間、私の前で立ち止まっていたものの……
ふいと視線をそらすと、何事もなかったかのように去っていく。
(ウェディくんが何を考えているのか、わからない……)
私は、胸に鈍い痛みを抱えながら、その場に立ち尽くしたのだった…―。