深い霧が立ち込める、ヴォタリアの街角で…―。
今、私達の間に、今までにないほどの緊張が走っていた。
ウェディ「な……お、お前ら……っ」
○○「! ウェディくん……!?」
ウェディくんの鋭い怒りの視線が、私を抱きしめるゼロさんを射抜く……
ウェディ「テメェ……何、○○に勝手なことしてやがるっ!!」
○○「だめ、ウェディくん!」
セロ「……っ!」
私の制止も虚しく、ウェディくんの拳がセロさんの頬に直撃する。
すると、次の瞬間…―。
ウェディ「あ……」
先ほどまで怒りに燃えていたウェディくんの瞳が、大きく揺れる。
そして……
ウェディ「あ……あぁ、オ、オレ……なんでこんなこと……。 これは……この胸の内側から溢れてくるぐちゃぐちゃの感情は……」
ウェディくんの瞳に混乱とも切なさとも取れる複雑な感情が揺らめく。
ウェディ「……ご、ゴメンっ!!」
○○「待って!!」
私達に背を向けて走り出すウェディくんを、思わず呼び止める。
けれども、彼がこちらを振り向くことはなかったのだった…―。