2024-01

通常ストーリー

月SS ケロタの贈りもの

静かな星の光の下で、すべての音が遠ざかっていく…―。 (ケロタが消える……? 何言ってるんだ) その清らかな光に奪われないように、慣れ親しんだ小さな重みを胸いっぱいに抱きしめた。 ケロタ「なあ……オマエ、見つけたんだな。 ありのままのオマエ...
通常ストーリー

月最終話 ケロタの願い

美しく輝く月を、大きな翼の鳥が横切っていく…-。 次の歌を探す旅に出ることにした私達は、星を頼りに深い森の中を歩いていた。 ビッキー「次の村は……こっちかな」 ケロタ「貸してみろ! オマエが一度でも正しい方向に行ったことがあったか」 ケロタ...
通常ストーリー

月9話 友達

美しい木の葉を魚がついばみ、湖面が丸く揺れる。 私達は手を繋ぎ、柔らかな風を受けながら湖の周りを歩いていた。 ケロタ「あ~……バイバイ美女魚ちゃ~ん……!」 湖の向こう側から、ケロタがこちらへ向かって飛んでくる。 ケロタ「……遠くへ行き過ぎ...
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月8話 素顔

風がサワサワと木々の枝を揺らす…-。 ビッキーさんの寂しげな笑顔を見つめながら、私はぎゅっと拳を握った。 〇〇「ビッキーさん、やっぱり駄目ってなんですか?」 ビッキー「え……?」 〇〇「……駄目なんかじゃない。 駄目なんかじゃないですよ、ビ...
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月7話 悲しい確認

のどかな波の音が、私達の沈黙をいっそう際立たせる。 ビッキーさんが大きなため息を吐き、私に笑いかけた。 ビッキー「今度こそ、愛想つかされたかな。 やっぱり、駄目だったか。今まで僕が楽しいばかりで、ケロタは我慢してたんだな」 (やっぱり……?...
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太陽SS 陽射しの中で

午後の澄んだ陽射しの中で、歌声が煌めいている…-。 ケロタ「……さーてと」 一通り歌を歌い終えると、ケロタは満足そうに喉を鳴らした。 ケロタ「自由の身だ~!! 待ってろ美女ガエル達~!」 ケロタは、そう言うなり振り返りもせず遠ざかっていった...
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太陽最終話 至福のメロディー

まばゆい光が、午後の穏やかなまどろみの中に消え入っていく…-。 (何が起こったの……?) 二人が、ハッとして顔を見合わせた。 ケロタ「……もしかすると、もしかするかな」 ビッキー「……ああ。ケロタ、行くぞ」 … …… ビッキー「……よし」 ...
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太陽9話 その瞬間

ビッキー「……まさか。 だって、ケロタはいつだって呪いを恨んでいて……」 ビッキーさんは、自分に言い聞かせるようにそうつぶやく。 私は彼の手を取り、ぎゅっと力を込めた。 〇〇「離れられないのと、離れないのは違います。 ビッキーさんは素敵な人...
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太陽8話 まばゆい光

柔らかな風が頬を撫で、そっと目を開ける。 まばゆい光の中で、誰かが私の手を握っていた。 ビッキー「○○!」 ○○「ビッキーさん……?」 (私……?) (そうだ、ケロタを追いかけて……) 看護師さんのような服を着た人が私の額に手をあて、パタパ...
通常ストーリー

太陽7話 伝えたいこと

のどかな波の音が、私達の沈黙をいっそう際立たせる。 ビッキーさんの胸中を思うと、私はいても立ってもいられない気持ちになった。 (ケロタに聞かなきゃ) (だって……あんなに楽しそうに笑ってた) (それに……) 私は決心し、湖に足を踏み入れる。...