第2話 ローラーコースター

その後…-。

私達はジェットさんの出演作のアトラクションであるローラーコースターへと向かうことになった。

ジェット「あともう少しで到着だ」

たくさんの楽しそうなアトラクションを横目に、ローラーコースターにたどり着くと……

〇〇「大きい……!」

パンフレットを見るより、もっと大迫力のコースターが目の前に広がった。

屋外と室内を織り交ぜた造りに、見る人を圧倒する急角度のコースが、胸をドキドキさせる。

〇〇「わぁ……すごいですね!」

ジェット「だろ? 絶対面白くなるから、楽しみにしててくれよな!」

ジェットさんの表情が、嬉しそうにほころぶ。

〇〇「はい。是非乗ってみたいです!」

興奮気味に伝えると、ふと、ジェットさんの視線が脇に逸れた。

ジェット「それと……あそこにあるスクリーンに写ってる映像を見てくれよ」

〇〇「? はい」

彼の視線を追ったところには……

〇〇「あ……」

列の途中に暴走する列車を止めるべく、保安官が列車に飛び移るシーンが流れる。

〇〇「あ……!」

ジェット「そう、あのシーンは俺だ」

〇〇「ジェットさん、格好いいです」

思ったままの言葉が、つい口を衝く。

ジェットさんは、少し照れくさそうに口元をきゅっと引き絞った。

ジェット「ま……まあな! 俺自身もすごく、いいスタントができたって気に入ってるシーンなんだ」

〇〇「そうなんですね」

ジェット「このローラーコースターは、あの映画の世界をリアルに表現したアトラクションなんだよ」

彼は試運転中のローラーコースターを見上げ、清々しい笑顔をその顔に浮かべる。

ジェット「緊急脱出系のアクション映画でさ。 俺、これまでいろんなスタントを経験して、いろんな映画に出たけど……。 遊園地のアトラクションにするなら、この映画が絶対にいいって思ったんだよな」

力強い彼の言葉が、心地よく胸に響く。

〇〇「見てるだけでドキドキします」

ジェット「ああ、このコースターのイメージは暴走列車で、暴走の部分をハイスピードなコースターにしたんだ。 映画では、馬で駆けつけた保安官が活躍して、列車を止めて乗客を脱出させるんだけどな」

(ジェットさん……すごくいい顔してる。本当にいい仕事だったんだろうな)

輝きに満ちた瞳と弾むような声音が、私の気持ちを高揚させた…-。

 

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