第1話 久しぶりの再会

映画の国・ケナル 彩の月…-。

目の前にそびえたつ巨大テーマパークの前で、私は受け取った招待状を握りしめる。

(なんて大きなテーマパーク……)

招待状は、映画の国の連合組織であるビオスコープからのもので、新しいテーマパーク『ビートン・フィルムパーク』プレオープンへの誘いだった。

エントランス付近には、すでにプレオープンを待ちきれない招待客で賑わっている。

(プレオープンに向けて、最終調整中って聞いていたけど)

豪壮な作りのエントランスを見上げていると…-。

??「〇〇! 来てくれたんだな!」

明るくよく通る声が聞こえ、振り返る。

〇〇「ジェットさん!」

颯爽と駆けてくるジェットさんの姿があった。

ジェット「よっ!」

気さくに挨拶をしてくれるジェットさんは、映画の国・ボディブルの王子様……

王族も映画関係の職に就いている人が多い映画の国で、スタント専門で頑張っている人だった。

〇〇「招待してくださってありがとうございます」

ジェット「おう! 迷わず来られたか?」

〇〇「はい、大丈夫です」

ジェット「そっか、よかった。それにしても久しぶりだよな」

そう言いながら、ジェットさんが、ごそごそと何かを取り出す。

ジェット「これ、今回のビートン・フィルムパークのパンフレット」

手渡されたパンフレットはとても丁寧でわかりやすく内容で、楽しそうなテーマパークに、思わず引き込まれてしまう。

〇〇「面白そうなアトラクションがたくさんありますね。 特にこのローラーコースターが、すごく楽しそうです」

ジェット「本当か!?」

〇〇「え……?」

ジェットさんの瞳が嬉しそうに煌めき、声がひときわ大きくなった。

ジェット「それ、俺がスタントで出演した映画のアトラクションなんだ。 目が高いな! 嬉しいぜ」

歯を見せて笑うジェットさんに、明るい日差しが降り注いでいた…-。

 

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