子ども達が帰っていった後…-。
〇〇「……大丈夫? ゴーシュくん」
ゴーシュ「何が大丈夫なの? なんにも問題ないけど」
さっきまでムキになっていたゴーシュくんが、流し目を向けてそう言ってのける。
〇〇「えっと……やっぱり、エッグレースは得意じゃないのかなって…-」
ゴーシュ「そんなことないよ! 魔法だってなんだって、最初から上手くできるなんてことはないけど。 でも、やってたらなんだってできるんだ」
〇〇「ゴーシュくん……」
ゴーシュ「おれを誰だと思ってるの? まあ見ててよ」
自信満々に言いながら、ゴーシュくんがウインクをする。
〇〇「……っ!」
ゴーシュくんの不意打ちのようなウインクに、鼓動がどきどきと騒ぎ始めた。
すると、そんな私を見て彼は満足げに微笑み……
ゴーシュ「さ。それじゃあ、おれ達も城に戻ろうか」
ゴーシュくんがいつものようにパチンと指を弾き、箒を手にする。
〇〇「うん」
(ゴーシュくんなら、きっと優勝できるよね)
不思議とそう思わせる彼の魅力的な笑顔につられ、気づけば私も微笑んでいた…-。