月5話 強気な魔法使い

子ども達が帰っていった後…-。

〇〇「……大丈夫? ゴーシュくん」

ゴーシュ「何が大丈夫なの? なんにも問題ないけど」

さっきまでムキになっていたゴーシュくんが、流し目を向けてそう言ってのける。

〇〇「えっと……やっぱり、エッグレースは得意じゃないのかなって…-」

ゴーシュ「そんなことないよ! 魔法だってなんだって、最初から上手くできるなんてことはないけど。 でも、やってたらなんだってできるんだ」

〇〇「ゴーシュくん……」

ゴーシュ「おれを誰だと思ってるの? まあ見ててよ」

自信満々に言いながら、ゴーシュくんがウインクをする。

〇〇「……っ!」

ゴーシュくんの不意打ちのようなウインクに、鼓動がどきどきと騒ぎ始めた。

すると、そんな私を見て彼は満足げに微笑み……

ゴーシュ「さ。それじゃあ、おれ達も城に戻ろうか」

ゴーシュくんがいつものようにパチンと指を弾き、箒を手にする。

〇〇「うん」

(ゴーシュくんなら、きっと優勝できるよね)

不思議とそう思わせる彼の魅力的な笑顔につられ、気づけば私も微笑んでいた…-。

 

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