美しい木の葉を魚がついばみ、湖面が丸く揺れる。
私達は手を繋ぎ、柔らかな風を受けながら湖の周りを歩いていた。
ケロタ「あ~……バイバイ美女魚ちゃ~ん……!」
湖の向こう側から、ケロタがこちらへ向かって飛んでくる。
ケロタ「……遠くへ行き過ぎたか」
ビッキーさんの方に着地すると、ケロタは決まり悪そうに腕組みをした。
ケロタ「その……さっきは悪かったな」
ビッキー「……ケロタ……」
ケロタ「言い過ぎた。オマエのせいじゃないのにな」
その言葉を聞くと、ビッキーさんはにっこりと笑みを浮かべた。
ビッキー「ケロタ、なんの話だい?」
いつものように悲しかった気持ちを誤魔化そうとする彼に、そっと視線を送った。
私の視線を捉えると、ビッキーさんは決まり悪そうに目を閉じる。
やがて大きく息を吸い、ビッキーさんはケロタの瞳を見つめた。
ビッキー「……本当言うと、まあ、少し堪えた……かな」
ケロタは、驚いたように目を見開く。
ケロタ「……悪い」
やがて嬉しそうに笑みを浮かべると、ケロタはビッキーさんに大きく笑いかけた。
ケロタ「ま~、長い付き合いだし、友達なら喧嘩もするよな!」
ビッキー「友達……?」
ビッキーさんは、驚いたように、その言葉を口の中で繰り返す。
そんな彼の頬を叩き、ケロタが楽しそうな笑い声を上げた。
ケロタ「ほら行くぞお二人さん。ところで、いつの間にお手て繋いでんだ?」
〇〇「あ……!」
ケロタにからかわれるような瞳で見つめられ、私は慌てて手を離す。
頬を撫でる風が、とてもくすぐったく感じられた…-。