月9話 お茶会の中断

お茶会での会話も弾み、沈んだ心も軽くなった頃…―。

回廊に続く中庭の入り口に、人影が見えた。

○○「……シャオさん!」

(お仕事はもう終わったのかな?)

私が気づくと、彼もこちらに気づいて、大股で歩いてきた。

シャオ「……」

久しぶりに間近で見たシャオさんは、眉をわずかにひそめているようだった。

○○「シャオさん、あの…―」

会いたかった人が、目の前にいるのに……

私はしどろもどろにしか、言葉を紡ぐことしかできない。

すると…―。

シャオ「○○さん、今日こそは二人の時間を過ごしましょうか?」

シャオさんが、柔らかく私に笑いかける。

○○「え……でも、お仕事は…―」

シャオ「そんなのとっくに終わらせちゃいましたよ!」

得意げに笑って、シャオさんは人に囲まれている私の手を取った。

○○「シャオさん!?」

シャオ「ほんと、みんなこの城の者達は○○さんが好きなんですから……」

少し頬を膨らませながら、シャオさんが拗ねたような声を出す。

シャオ「少し分からせてあげないと、ダメみたいですね。 ○○さん、あなた自身にもね?」

○○「……!」

急に耳元に寄せた唇でそう囁かれて、私の心臓が騒ぎ出した。

シャオ「さあ、行きますよ!」

○○「えっ、ま、待ってください!」

途端にお茶会の席がざわつき始める。

シャオさんは私の手を引き、その場から私を連れ出した…―。

 

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