太陽5話 優しい粥

その後…―。

レストランで気分が悪くなった私は、ネペンテスさんに運ばれて、城の客間に寝かされた。

ネペンテス「ヴィラスティンの食は、あなた様のお口には合いませんでしたか?」

〇〇「そういうわけではないんですが、すみません……」

だけど食材が体に合わなかったのか、以後、私は三日三晩、ベッドにふせ続けることになるのだった…―。

……

そして三日後の昼下がり…―。

ネペンテス「具合はいかがですか」

〇〇「はい……もう大丈夫です。私、そろそろ帰らないと…―」

ベッドから起き上がろうとするも、視界がぐらりと一回転した。

〇〇「あ……」

ネペンテス「いけませんね」

倒れ込んでしまいそうになる私の体は、ネペンテスさんの腕に支えられた。

そしてそのまま、ベッドへと再び横たえられる。

(ネペンテスさん……)

この三日間はずっとこの調子で、彼は熱心に私の看病をしてくれている。

(怖いところもあるけれど……ちゃんと優しくもしてくれる……)

ネペンテス「今日はあなた様にも馴染みのある粥などを持ってきました。 少しは食べないとよくなるものもよくなりません」

彼が背中を支えてくれて、粥をすくった匙を私の口元に運ぶ。

ネペンテス「お口を開けてください」

〇〇「……」

恥ずかしさに頬が染まるけれど、私は小さく口を開いた。

ネペンテス「そう。いい子ですね……」

満足そうに笑って、ネペンテスさんは私の口にスプーンを押し込む。

(おいしい……)

口にした粥はなんの変哲もない普通の粥だったけど、なぜかとても優しい味がしたのだった…―。

 

<<第4話||太陽最終話>>