第4話 ほのかに染まる頬

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侍女『ちょうど、異国の使者から頂いたお菓子があるんですよ。餡が中に入っている、珍しいお菓子です』

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侍女さんにすすめられ、おまんじゅうとお茶を用意して、シュニー君に差し出す。

○○「どうぞ」

シュニー「ふむ……」

差し出されたおまんじゅうに口を付けるなり、シュニー君の目が輝く。

シュニー「これは美味しい……! 下僕、お前を褒めてやる」

満足そうにお茶をひとくちすすると、シュニー君は私の頭を労うように撫でる。

○○「よかった、嬉しいです!」

シュニー「……」

(あれ? どうしたのかな?)

いつもは賢く光る瞳が、静かにいっと私を見つめている。

シュニー「よし!」

○○「わっ、しゅ、シュニー君!?」

突然、わしゃわしゃと髪を両手で可愛がられて、私は目をつむった。

シュニー「よーしよし、よくできた褒美に下僕から召使いに昇進させてやろう。 グレ兄や、フロ兄に仕える侍女達に比べれば、まだまだだけどね」

○○「お兄さん?」

シュニー「うん、僕には兄が二人いるんだ。 特に長男のフロ兄はすごいんだよ、この僕より頭が良くて、国民にも崇められる雪の一族の誇りなんだ。 おかげで僕もグレ兄も、フロ兄によく比べられる」

○○「比べられるの、辛いんですか?」

シュニー「いいや、グレ兄は気にしてるみたいだけど、僕は僕だし。 ただ、フロ兄が偉すぎるせいかな……友達があまり…ー」

ぽつりとつぶやかれた言葉が、そのまま止まる。

いつもは自信に満ちた姿が、今は少しだけ寂しそうに見えて、私は…ー。

○○「自分は自分なんて、シュニー君、大人ですね」

シュニー「雪の一族は高潔なんだ。うじうじ悩んだりしないよ」

○○「立派だと思います」

じっと彼の瞳を見つめながら、そう言うと……

シュニー「……当たり前だろ」

シュニー君は微かに頬を赤くして、私の瞳から視線をそらした。

シュニー「まったく。僕の召使いのくせに」

少し頬を膨らませながらそう言う姿は、とても可愛らしい。

頭を撫でてあげたい気持ちを抑えて、私はにっこりと彼に微笑みかけた…ー。

 

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