太陽7話 反撃

ナンパ男1「さあて、どうするんだ? 言っとくけど、次に妙な魔法使ったらこの女がどうなっても知らないからな」

シュニー「……」

シュニー君は、じりじりと後ろに後退して、男に追い詰められていく。

○○「シュニー君、私のことはいいから逃げて!」

堪らず私がそう叫んだ時、シュニー君の唇が不敵に弧を描いた。

シュニー「だから、お前達は愚かだって言ってるんだ」

ナンパ男2「はあ?」

シュニー「しゃがんで!」

○○「は、はい!」

シュニー君が私に向かって叫び、私が地面にしゃがみ込んだ、その時だった。

ナンパ男1「なっ!」

ナンパ男2「ぐあっ!」

突如、上空から大きな雪の塊が雪崩のように、男達に襲い掛かった。

それと同時に、私の頭上に氷の屋根がみるみるうちに出来上がっていく。

○○「……!」

私はその氷のおかげで難を逃れたけれど、男達は完全に雪の塊の下敷きになってしまった。

シュニー「僕が何もしてないわけないでしょ。 最初にひょうを出した時、上のテントに雪を降らせておいたんだよ」

○○「う、嘘……すごい……」

シュニー「ツメが甘いよね」

シュニー君は小馬鹿にした様子で、倒れこんでいる男達を見下ろしている。

○○「この氷も、シュニー君が?」

私の言葉に、シュニー君が手を腰に当てて、満足げに笑う。

シュニー「当たり前でしょ。雪の一族が、こんな低俗な奴らに負けるわけないよ」

(守ってくれたんだ)

○○「シュニー君」

シュニー「?」

○○「ありがとう」

シュニー「え……?」

お礼を言うと、シュニー君の赤い瞳が見開かれる。

シュニー「……」

彼はそのまま、頬をわずかに赤くしながら難しそうな顔になる。

(私、変なこと言ったかな?)

○○「だから……助けてくれて、ありがとうございました」

シュニー「……ぼ、僕はお前の主人だからな! 当たり前でしょ」

今度は、はっきりとシュニー君の頬が赤く染まっていることがわかる。

(もしかして……照れてる?)

ぷいと私に背を向け、シュニー君は歩き出そうとする。

シュニー「帰るよ。もう用事はすんだ」

その小さな背中を見つめていると、私の胸がなぜだかくすぐったくなる。

○○「……はい!」

シュニー君の斜め後ろを歩きながら、彼をそとうかがってみる。

夕陽に照らされたシュニー君の横顔は、微笑んでいるように見えた…-。

 

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